親からの電話
「あんた、借金してないよね」
夜にいきなりかかってくる親からの電話
本当は年金未納で催告書が来たり
家賃もギリギリだし
住民税は役所と交渉して分割
歯が割れたまま痛いけど歯医者にも行けない
どうにも歩き方がギリギリで
あちこち悪いけど病院ももちろん行けない
『してるわけないじゃん』
私には借金がバレた過去が2回ある。
自宅に届いたカード会社からの封書をいつも勝手に開けられる。だから、してるわけないと言うしかない。
親が怖い。
この世で一番母が怖い。
怒られて
呆れられて
死ぬことを望まれる。
生きる価値なし と。
あの時◯◯で死ねば良かったのに。
あんなに大事に育てたのに。
いつもいつも【おまえはダメだ】と言われてきた。
わかってますよ。
心から心配していること。
死ぬまで独り身であろう私が
身体の自由が早めに効かなくなる私が
せめてお金には困らないようにと
心配していることは。
どうか明日もガタガタな身体でも
前に歩けますように。
熱が出て休めと言われませんように。
病院に行けと
言われませんように。
もし歩けない日が来たら
いつか飼っていた、かわいかった
あの犬のところへ
すぐに行けますように。
すぐに。